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「目標を決めよう」とするたびに、なぜ動けなくなるのか

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目標を立てた翌週に、もう見ていない

年が明けたとき。連休の最終日。何かの本を読み終えたとき。

「よし、目標を決めよう」という気持ちになることがあります。手帳を開いて、やりたいことを書き出してみる。転職、副業、スキルアップ、健康管理——。

書いているあいだは、少し気持ちが軽くなります。「動き出せそうだ」という感覚がある。

でも、1週間後にその手帳を開くことは、ほとんどありません。

なぜでしょう。意志が弱いから? 飽き性だから?

そうではないと思います。むしろ、真面目に考えてきた人ほど、このループにはまりやすいのです。

「目標がないから動けない」は、本当か

よく聞く言葉があります。

「やりたいことが見つかれば、動ける」
「目標さえ明確になれば、あとは行動するだけ」

一見、正しそうに聞こえます。でも、少し立ち止まって考えてみると、これは順序が逆かもしれません。

目標が見つからないから動けないのではなく、動けない理由が別にあるから、目標が定まらないのです。

その「別の理由」とは何か。

自分の内側にある判断基準が、まだ言語化されていないことです。

何が自分に合っているのか。どんな状況でエネルギーが湧くのか。何をやると「やらされている感」になり、何をやると「自分らしい」と感じるのか。

これらが曖昧なまま目標だけ決めようとしても、どうしても「それっぽい目標」になってしまいます。年収を上げる、資格を取る、副業を始める——どれも間違いではないけれど、どれも「自分の内側から出てきた言葉」ではない。

だから、エネルギーが乗らない。少し壁にぶつかると、止まってしまう。

「取扱説明書のない機械」を動かそうとしている

少し変わった例えをします。

機械を使いこなすには、取扱説明書が必要です。どのボタンがどんな機能を持っているか、どういう状況で誤作動しやすいか、何を入力すると最大のパフォーマンスを発揮するか。

人も同じです。

自分という「機械」には、固有の動き方があります。どんな環境で力を発揮しやすいか。どんな役割だと自然に評価されるか。どんな状況でストレスが溜まりやすく、どんなときに没頭できるか。

でも、自分の取扱説明書を持っている人は、ほとんどいません。

だから、自分に合っていない使い方で消耗したり、本来の強みが活きる場面を見逃したりする。「頑張っているのに、なんか違う」という感覚が積み重なっていきます。

これは能力の問題でも、意志の問題でもありません。「自分の使い方」を知らないまま動いているだけなのです。

目標は「設定する」ものではなく「見つかる」もの

ここが、多くの方が見落としているポイントです。

目標は、頑張って決めるものではありません。自分の構造が明確になったとき、自然と浮かび上がってくるものです。

自分の資質、思考のクセ、エネルギーの使い方、無意識の判断基準——こうした「内側の構造」が言語化されると、ある変化が起きます。

「あのとき上手くいったのは、こういう理由だったのか」 「あの選択に違和感があったのは、ここがズレていたからか」 「だとすれば、自分が向かうべき方向はこっちだ」

バラバラだった点と点が、静かにつながっていく感覚です。

この状態になると、目標を無理にひねり出す必要がなくなります。「これをやるのが自然だ」と感じられる方向が、自分の中から出てきます。

それが、「借り物ではない目標」です。

誰かにすごいと思われるためではなく、世間的に正しいとされているからでもなく、自分が納得して進めるもの。その目標は、多少の困難があっても折れません。むしろ、そのプロセスすら意味のあるものとして受け取れるようになります。

自分を理解することは、なぜ難しいのか

「じゃあ、自己分析をすればいい」と思うかもしれません。

でも、自分を自分で正確に見ることは、思いのほか難しいものです。

都合よく解釈してしまう。過去の経験に引っ張られる。「自分はこういう人間だ」という思い込みから、なかなか抜け出せない。

自己分析ツールや本を使っても、「なんとなく分かった気がする」止まりになりやすいのは、そのためです。

だからこそ、第三者の目が効いてきます。

自分では気づいていない思考のパターン、無意識に避けてきた選択、逆に自然と成果が出ていた場面——こうしたものを外側から整理してもらうことで、「自分という人間の構造」が初めて見えてきます。

inomaが大切にしているのも、まさにここです。「何をすべきか」を教えることではなく、「自分で判断できる状態をつくること」。そのプロセスに、一緒に伴走することです。

「決められない自分」を、責めなくていい

最後に、一つだけお伝えしたいことがあります。

目標が決められないのは、あなたの意志が弱いからではありません。努力が足りないからでも、飽き性だからでもありません。

ただ、「自分の取扱説明書」がまだ手元にないだけです。

その説明書が揃ったとき、選択は迷いではなく、静かな確信に変わります。

動き出すとしたら、そこからです。

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